愛猫 黒猫無垢の話 22
無垢と一緒に生活したのは私が結婚するまでの5年間だけ。
結婚してからしばらくは子供がいなかった事もあり、適当に用事を作ってはせっせと無垢に会いに実家に行っていました。
成長した無垢は今でいう「ツンデレ」。会いに行くとものすごく素っ気ない態度をとられました。
私が来ると、いつも無垢はおもむろに爪とぎ棒のところに移動し、人の顔を見ながらバリバリバリバリバリバリバリ×2と爪を研いでからそのままどこかに去っていきます。
そして私が帰る直前まで姿を見せません。
たまにさわれる距離にいる時があるので撫でようとすると、「ふぅ~」と鼻でため息をつかれます。
このため息が結構ダメージが大きくて、毎回心が折れていました(涙目)
母がパートでいない時間帯に実家に行った日は、暇つぶしのため家計簿をつけるのが定番になっていました。
無垢は全然遊んでくれないし、鼻でため息までつかれるし・・あと家計簿はなぜか自分の家だと全然はかどらないので💧
コーヒーを準備してからリビングに戻ると、家計簿のノートの上に大きな黒い塊がありました。
よく見ると無垢がノートの上にどんっと寝そべっていました。
『普段寄ってこないのにめずらしいねぇ、でもちょっと邪魔だからごめんよ💧』
ぐいぐいと無垢の身体を押しのけて家計簿をつけだすと、無垢が私の顔を見ながらじりじりとノートの上に移動してきます。
『遊びたいの?すぐ終わるから待ってて。』
再びぐいぐいと身体を押しのけますが、またしてもじりじりとノートの上に乗ってきます。
またたびの棒を取り出して無垢に見せ、ポーンと遠くの方に投げるとそれはもうすごい勢いで追いかけていきました。
そしてものすごい勢いでノートの上に戻ってきました。
何度かそれを繰り返しましたが必ずノートの上に戻ってきて私をじっと見てきます。
『いつもと逆だねぇ・・もう~仕方ないなぁ(満面の笑み)』
家計簿はあきらめ、母がパートから帰ってくるまで無垢と遊びまくったのはいうまでもありません。
それからも遊んでほしい時は、家計簿や新聞の上にどっかり乗ってきてアピールしてくるようになった無垢。
そういえば、いつも読んでる途中の記事の上に的確に尻がきてたんだよな・・💧