愛猫 黒猫無垢の話 16
以前も書きましたが実家はとても古く、台所兼土間にはかまどがありました。 (両親は「おくどさん」と言っていました。)
大・小のかまどの真ん中には茶釜もありました。
普段はインスタントラーメンやおやつの収納庫として使われていましたが、年に一度の餅つきの時だけ、もち米を蒸したりお湯を沸かすために稼働していました。
かまどの火はとてもやさしい温かさで私は大好きでした。
無垢も餅つきが終わった後、余熱が残るかまどの中からなかなか出てきませんでした。
当然出てきた時は灰だらけなので、お風呂直行天国から地獄コースでしたね 笑
まだ無垢が外の世界を知らない頃、母から「無垢の姿がどこにもない」と言われ、名前を呼びながら家中探し回ったことがあります。
「無垢はたいてい視界に入るところにいるのに、今日は朝に一度見ただけで今まで姿をまったく見てないの」と不安げに母は言います。
もしかして外に出てしまったのだろうか・・
家の外を探す前にもう一度大きな声で『無垢ーどこー!!』と叫ぶと、かまどの方からカタンッと音がしました。
母と二人で振り向くと茶釜の蓋がカタカタと音を立てて動いていました。
やがて蓋が落ち、茶釜の中から無垢がヌ~ッと頭を出してきました。
母と私はそれを見て一瞬目が点になり、その後は膝が崩れ落ちるほど爆笑しました。
無垢は眠そうに何~?という感じでこちらを見ています。
母が笑いながら「確かポラロイドカメラが棚にあったはず。」と言うので慌てて取りに行きました。
笑いすぎて手が震えシャッターがなかなか押せませんでしたが、なんとか2枚だけ撮る事ができました。
無垢はまた茶釜に引っ込んで昼寝を始めました。(きっと暗い方がいいだろうとフタをしておきました。)
母と二人で写真をパタパタ(←わかります?)して画像が出てくるのを待ちました。 残念ながら2枚ともピンボケ状態でしたが、かろうじて茶釜に入っている事はわかります。
(多分、今も探せば家のどこかにあります。記念すべき初の無垢の写真ですから。)
かまど付近を探した時に茶釜の蓋がズレていたので戻したのですが、まさか無垢が中で寝ているとは思いませんでした💧
残念ながら無垢はすぐに成長してしまい茶釜には入れなくなってしまいました。
何度かチャレンジしている姿を見かけましたが、お尻がつっかえて入れずがっかりしていました・・